介護職員初任者研修

介護職員初任者研修の一環である、その資格を取るための実習が始まりました。1日目は地元の老健施設に行きました。

利用者と接する前にナースステーションに案内され、主任と見られる女性から介護の基本について話がありました。看護介護、医療?関係の仕事は体育会系だとよく聞きますが、全くその通りでした。

「これ、読んで。理解できますよね?」と、壁に貼られた大きな紙をパンと叩きました。それに目をやると「介護の原則」が書かれていたので真剣にサッと読みました。

「1、自尊心を傷つけないように、行動を馬鹿にしたり嘲笑したりしないで暖かい気持ちで接する。2、子供扱いせず、長年者として対応する。3、生きていくうえで基本的な欲求が満たされるためのお世話をする。4、食事、排泄、清潔などすべての面でその人に適した方法を考えてお世話する。5、予測できる危険から守る。危ないものを置かない。6、一人きりになると問題行動を起こして事故につながることになる。しかし刺激のない生活には痴呆の進行を早めるので孤独にさせない。7、出来ることをしてもらう。役割を与えると「私は役に立っている」と感じ生き生きした時間が過ごせる。8、要介護者の状態に合わせ、そのつど変化に応じて柔軟に対応する。9、要介護者の習慣、癖を知った上で介護する。10、ちぐはぐな事をしても笑ったりせず、馬鹿にしたりせず、恥をかかせないようにお世話する。」

以上、このように書かれています。どれも介護職員初任者研修で学んだことばかりです。私は「この「介護の原則」をノートに書き写していいですか?」と聞きました。すると「今日の帰りにでもどうぞ!」と、お尻をポンと叩かれました。あれ?怒られたかな?と思いましたが、主任さんは笑っていたので私もホッとして、笑顔でナースステーションを出ました。よし!資格を絶対とるぞ!と思えました。

主任さんは「今日はお風呂の日です。各部屋にいる利用者さんをお風呂に連れて行きます。ついて来て下さい」と足早に廊下を歩き私たち4人に言いました。ドキドキしながら一つ目の部屋に入って行きました。

介護職員初任者研修 3日目

介護職員初任者研修の一環である実習の3、4日目は老人ディケアサービスセンターで、食事介助とレクリエーションに参加しました。1、2日目の、オムツ交換、清拭、入浴、歩行介助に比べると体力的には楽ですが、いつもは使わない脳みその使い方をしました。介護職員の資格を取るには、なんと手先もある程度器用ではないと厳しいと思いました。

レクリエーションでは、利用者の開く講座にてこちらが生徒になるという設定で場を楽しみました。その利用者は折り紙やティッシュでお花を作るのが得意で、私たち実習生に一生懸命教えてくれました。「車椅子で足は自由にならないけど、手の指はまだまだ大丈夫!」と、とても生き生きしていて印象的な方でした。

私もこんな風に歳をとりたいなと思い、素直にそう伝えるとますます顔がにこやかに美しく輝いていました。実習の最終日は、訪問介護です。あと1日で念願の資格が取れるという嬉しさで胸を弾ませていました。その日私は70代半ばの一人暮らしの男性の自宅を訪問することになりました。もちろん、ベテランの女性介護職員が同行してくれました。

朝、ベテラン女性介護職員は挨拶の後、私にこう言いました。「今から行くお家の人は何でもかんでも頼んでくるから、簡単に返事してはダメだよ。ニッコリ笑っててね。」と。早速家に行き、インターフォンを鳴らしましたが、誰も出てきません。代わりに犬がキャンキャン鳴いてます。「これがこの家の合図だから、入るね。」と介護職員は私の手を引っ張りました。家の中は犬の餌や日用品などがいたる所に置いてあり足の踏み場に困りました。

今回のケアサービスは、家事援助で、1時間掃除と洗濯です。もくもくと作業をしていると、利用者は「掃除終わったら、買い物をしてきてほしい。」と言ってきました。ケアサービス計画には入っていないので、受けるわけにはいきません。ニコッと笑いごまかしました。また、犬と散歩してきてほしい、一緒にテレビを見よう、いろいろ要求されましたが、丁重に断りました。無事なんとかこうして介護職員初任者研修を終えることが出来ました。奥が深く、大変責任を感じる仕事ですが、介護職員として働きたいなと強く思いました。